マンガとアニメとゲームの買取堂のブログ ■ オタクとサブカルの古本屋

赤座ひではる「チリリンふたりのり」花とゆめ

投稿日:

赤座ひではる「チリリンふたりのり」花とゆめ
赤座ひではる「チリリンふたりのり」花とゆめ

樹実ちゃんとトンボくんの日常

2000年以降、日常系マンガが流行ってますね。日本がどんどん貧乏になって、格差が広がって、いわゆる平和な日常が消え失せて、そのくせ何故かコミュニケーションだけは進化しすぎた格闘ゲームみたいに高度化して、幻想としてのゆるふわな「日常系」マンガが流行りだしたのでしょう。その気持よく分かります。何しろ店主はビンボーでコミュ障ですから!
この漫画は日常が本当にあった時代に描かれた作品。引用符付きの「日常」ではなくて、かつての普通にあった平和な何気ない普通の日常のなかでの樹実ちゃんとトンボくんの繊細な十代の淡い恋心が描かれています。一巻の初版は1976年。40年前に描かれたの日本の物語です。


1970年代の日常が羨ましいよ

日常系と言いつつ単なるハーレムマンガだったりと、日常なんだか欲望なんだかよく分からないことになっている最近の混乱した日常系マンガ界隈ですが、この漫画は正真正銘です。巨乳美少女0%。ノンカロリーでダイエットでロハスな意識の高い作品です。
平和で平凡で単調な毎日で繊細な樹実ちゃんの恋心が輝いています。この漫画の主題はあくまで恋愛、決して日常ではないんですが、ヒャッハー!な2016年の現在に見るとそのつまらん日常がたまらなく羨ましい。赤座ひではる先生の絵はメルヘンチックな絵本のようなんですが、今はありえないでしょうねぇ。「なんてこった!」という感じです。
赤座先生は現在は似顔絵画家をされているようですが、作品は今でも人気があり、プレミアが付いている作品もあります。